国の制度としては以下のものがあります。

 

●自立支援医療

●障害年金

●障害者手帳(精神障害者保健福祉手帳)

●傷病手当

●失業給付

●障害者自立支援法(障害者総合支援法)の障害福祉サービス

●生活保護

 

などです。

また市町村や都道府県によっては独自の優遇制度があります。

以下に概略を述べます。

 

 

Ⅰ.自立支援医療

自立支援医療の申請をする。

申請先は、市町村の障害福祉課、支援課、保健センターなど。市町村によって対応部署の名称は違う。

精神疾患の診察代、薬代、デイケア、訪問看護などの費用が1割負担となる。
また、重い症状の場合や低所得世帯などの場合、月別の上限額が設定される。

 

 

 

Ⅱ.障害年金


以下4つの受給要件があります。

診日から1年6ヶ月経過している。

②初診日までの年金保険加入義務期間のうち3分の2以上の支払い期間がある。

もしくは初診日の前々月から過去1年間未納がない。

保険料免除を受けている場合はその免除期間は、支払った期間とみなされます。

③初診日の受診状況証明書を初診の医療機関が書ける。すなわち初診の医療機関で、当時の病名や症状が書ける。カルテが残っているなど。

④現在、障害等級に該当するほどの障害がある。これは主に現在の主治医の診断書により判断されます。もちろん診断書だけで判定されるわけではありませんが。



なお、『初診日が20歳前の場合は②の保険料納付要件は問われません。』


初診日時点で厚生年金保険に加入していれば、上記の障害基礎年金に障害厚生年金が上乗せ支給される可能性があります。

また、障害基礎年金に該当しない程度の障害であっても、初診日時点で厚生年金に加入していれば、障害の程度によっては障害厚生年金3級または一時金として障害手当金が支給されます。

障害手当金は、初診日から5年以内に障害が「治った」場合に、その治った日から5年以内に請求することが条件です。


ちなみに障害基礎年金が支給されるのは1級もしくは2級の場合です。


申請方法については以下の4つがあります。

(1)本来請求

初診日から1年6ヶ月経過した日である障害認定日時点(正確にはそれ以降3ヶ月以内)で申請する場合。

初診日から1年6ヶ月後が20歳前の場合、20歳の誕生日の前日が障害認定日となります。

(2)事後請求

障害認定日以降、障害認定要件に該当する状態になった時点で裁定請求する。但し65歳になる前までに請求する必要がある。支給決定された場合申請月の翌月から年金が支給される。

(3)遡及請求

障害認定日時点で障害認定要件に該当しているものが障害認定日より1年以上経過してから裁定請求を行う場合。支給決定された場合、最大5年間分遡って支給される。



次いで、障害年金申請までの流れについて述べます。

1
初診日等の確認

初診の医療機関名を確認する
初診日時点での病状・診断名を証明できるかどうかを医療機関に確認する


2
その後の受診状況の確認

通院履歴を把握しておく
入院履歴を把握しておく


3
障害認定日時点(もしくは障害認定日以降原則3ヶ月以内)の診断書が書けるかどうかの確認


4
年金加入記録の確認

初診日までの年金保険加入義務期間のうち3分の2の支払い期間があるかどうか、もしくは初診日の前々月から過去1年間未納がないかどうかを確認する。

初診日に厚生年金または共済組合に加入していたかどうかを確認する。

初診日が20歳前で当時無職であったのであれば、この確認作業は必要ありません。

5
障害年金の申請

初診日に厚生年金または共済組合に加入していたら年金事務所へ。加入していなかったら原則として国保年金課へ申請する(年金事務所でも受け付けてくれる)。

障害認定日時点(もしくは障害認定日から原則3ヶ月以内)の診断書が書ける場合は、遡及申請(または本来申請)する。書けない場合は事後重症の申請をする。

6必要書類の受け取り

①診断書
②受診状況等証明書(初診日の証明)
③病歴・就労状況等申立書

などがあります。


7受診状況等証明書(初診日の証明書)を医療機関に記入してもらう

8遡及できる場合、障害認定日時点の診断書を書いてもらう

現状の診断書を書いてもらう(申請日から逆算して3ヶ月以内のもの)

10
病歴・就労状況等申し立て書を記入作成する

11
必要書類を国保年金課または年金事務所へ提出する』


『申請先』は、年金事務所もしくは市役所。

 

 

Ⅲ.障害者手帳

 

精神障害者保健福祉手帳は、一定程度の精神障害の状態にあることを認定するもの。
1
級から3級までの等級がある。

対象となる疾患名は、以下の通り。

 

●統合失調症
●うつ病、躁鬱病などの気分障害
●てんかん
●薬物やアルコールによる急性中毒又はその依存症
●高次脳機能障害
●発達障害(自閉症、学習障害、注意欠陥多動性障害等)
●その他の精神疾患(ストレス関連障害等)

 

受けられるサービスは等級や住んでいる県・市町村よって異なる。

 

共通してサービス・制度は次のようなものがある。

 

●所得税や住民税、相続税の控除額が加算される。
● 自動車税・軽自動車税・自動車取得税が減免(1級のみ)される。
●預金利子所得等への非課税適用がある
● 生活保護で障害者加算(2級以上)が受給できる
NTT番号案内料金の免除(104番における電話番号案内料金の免除。要申請)

 

など。

 

他には、乗車運賃の減免や、公共施設(例えば市民プールなど)利用料の減免などがある。

手帳1・2級の生活保護受給者の場合、障害者加算が付きます。

 

また、職業能力開発校、国立職業リハビリテーションセンターでの職業訓練を受けることができます。受験に合格しなくてはなりませんが、訓練手当が支給されます。

 

Ⅳ.傷病手当

  

①前提条件

 

 
ア)健康保険(協会健保か健康保険組合)に加入していること
イ)欠勤が3日以上続いていること

 

②申請先

 

ア)勤めている会社の人事部もしくは総務部

イ)協会健保


都道府県ごとに一箇所設置されている。

ウ)健康保険組合


健康保険組合を運営している会社がある。

 

③受給できる金額


ア)大雑把にいうと、給料の3分の2が支給される。

 

④受給できる期間

 


ア)同一傷病名で最大、1年6ヶ月間。

 

 

Ⅴ.失業給付

・自己都合か会社都合か
・働いていた年数
・本人の年齢
などによって、受給できる期間、待機期間、金額などが異なる。


なお、各都道府県・市町村によっては、障害者に対する支援・現金給付がある。

私の勤務先では手帳1・2級所持者に対して、3ヶ月に一度1万5千円が支給されます。

 

 

Ⅵ.障害者自立支援法(障害者総合支援法)の障害福祉サービス

 

訪問介護(ホームヘルパー)や就労支援を1割負担で受けることができる。

 

利用料には低所得者対応がなされており、例えば住民税非課税世帯の場合、利用料は無料です。

 

 

 

Ⅶ.生活保護


基本的には、

『生活に困窮する者の収入が国の定める最低生活費(生活保護基準)を下回る場合、その下回る部分が生活保護費として支給される。』

 

平たく言えば、国の定める最低生活費から生活保護世帯の収入を差し引いてその足りない分を支給する、ということになります。

 

収入がゼロの場合は国の定める最低生活費がそのまま支給されます。

 

いくつかの原理原則があります。

 

 

●補足性の原理について

内容は、「保護は、生活に困窮する者が、その利用し得る資産、能力その他あらゆるものを、その最低限度の生活の維持のために活用することを要件として行われる」となっています。

従って、

○現金や預貯金を一定額以上持っている場合は受給できません。その額は市町村によって異なりますが、数万円から数十万円と幅があります。ちなみに私の勤務地ではおよそ5万円です。

 

○不動産や自動車を所有している場合は、生活保護が受給できません。それらを処分して生活費に充てることを優先します。

 

○児童手当、児童扶養手当、障害年金などの社会保障の制度が利用できる場合、それらの制度を利用しなくてはなりません。それでも足りない部分が支給されます。

 

○稼働能力のある人は働かなければなりません。

 

○援助できる親族(三親等以内)がいれば、その援助を受けなければなりません。

 

 

●世帯単位の原則について

内容は、「保護は、世帯を単位としてその要否及び程度を定めるものとする。但し、これによりがたいときは、個人を単位として定めることができる」

この場合の世帯とは「同居」と考えてください。但し書きのところはやや複雑ですので説明は割愛させて頂きます。

世帯員全員の収入や資産、稼働能力などが世帯単位で問われます。

 

 

●申請保護の原則

当然のことのようですが、生活保護は福祉事務所(市町村)に申請しなければ受けることができません。

原則として当事者が生活保護を受ける意思を持っていることが前提です。

 

 

●その他

住んでいるアパートの家賃が一定額(住宅扶助の額)以下でなくてはなりません。

その額は住んでいる市町村によって異なりますが、私の勤務地では47,700円です。

 

 

以上です。